不動明王 | 厠(かわや)イヤミ百景

不動明王



もうちょっとだけ鹿の島 にお付き合い下さい。

観光地だけあって、当然島内には他にもトイレがあるのだが、その一つ。







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不動明王。


この裏、トイレです。


不動明王を島内に展示してあることを指しているだけであって、トイレと不動明王は何ら関係はない。

トイレは燃えていたりもしない。


しかしトイレの存在を隠すかのような大きさの不動明王アピール。

泣く子もだまるどころか、さらに泣きわめきそうな不動っぷり。


背中の炎の元栓が気になるところだが、まあ鹿にとってはただの板でしかない。



それでは裏のトイレへと向かう。






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「MEN」



その英語表記がまったく合わないお侍さん。


一瞬、折り紙の「やっこさん」を思わせる簡略化ぶり。

80年代ならば、己の根性をソリコミの度合いに投影し過ぎたヤンキーとも言えただろうが、明らかに現代人の髪型ではない。


当時は当時で髷を結うことが当たり前だったかもしれないが、今の時代からすれば「なぜ、存在する前毛をわざわざ剃って、後ろの毛だけ超ロン毛に・・・」という摩訶不思議な髪型でしかない。

前頭部の毛根がやむを得ない理由で壊滅状態にある方には、ある意味「なんて優しい髪形なんだ!」と柏手(かしわで)を打つところだろうが、大半の人にとっては変だ。


現在この世でこの髪型をすれば、人と会話をする際に、常に相手の目線が自分の目より上部に向けられること請け合いだろう。


「ご一緒にポテトはいかがですか?」


と問うアルバイトさんは、あなたではなく、あなたのちょんまげにポテトの有無を問う。


しまいには周りから、それの存在が大きく見られるにつれて、自分というものの方がちょんまげの付属品なのではないのかと問う日々が続く。


お侍さんになるにはそれなりの根性がいる。

「武士道」を称える人はただの頑固者でしかない。





そして入口には、ここにもこの島特有の柵が見えた。







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今思ったのだが、ここのトイレってトイレ自体にドアというものがない。

確かに公園など屋外に設置されているトイレというものは、入口が吹き抜けになっているものが多い。


解放されている方が利用しやすいという点と、入口にドアをつけて完璧な箱にしてしまえば、よもや住み込んでしまう人も出てしまうかもしれないので、その対策かもしれないがここに関しては一つの島。

しかも島全体で観光客を相手にしているような島。


ならばトイレにドアをつけてしまえば、全て解決してしまうのでは?

個室のドアをもう一個分ほど用意すれば、鹿対策は解決するのでは?

ドアノブを回せる動物しか入れないのでは?





なんてことを言ってしまえば風流がない。

鹿がいるからこそ、鹿のための戸が存在する。あえて存在する。





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「鹿戸 しかど

 鹿が入りますから閉めてください。

 手前に引いてください。         」


前回のものはプラスチック板に印刷されたものだったが、こちらは紙製。

紙の上部辺りがその傷み具合から、いにしえの巻物のような味を出している。



あれ?



前回のこの戸の呼び方は、





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「しど」



しかしここの呼び方は「しかど」


最近の子供の名前然り、地名然り、漢字の読み方など案外フリーダムだったりするので、「か」を抜いたところで許されそうだ。読みが先に有りきで、後から漢字が当てられたりするのも普通だ。


群馬県富岡市の南蛇井(なんじゃい)はまだ読めるとして、京都府福知山市多保市(とおのいち)は読めない。多保市とおのいちは到底読めない。



または上のプラスチック板の方は、印刷が薄れている箇所が結構見受けられる。

「手前に」「手」など縦線しか生き延びてない。


「か」の字が長年の潮風と、観光客のタッチングと、鹿のねたみによって消えた可能性も高い。

私はどちらかというと、「しど」の方が直接的じゃなくて好きだ。


じゃあ私たちが普段使っているドアは「人戸(ひとど)」、略して「ひど」ということになる。



どちらにせよ、「鹿」のつかない普通の「戸」をつけた方が早かろう。

でもまあ、場の雰囲気を優先で。






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内部は前回のトイレにあったような、「貝洗い禁止」 令の札もなく、ついでに他の人の姿も皆無であった。

どうやら不動明王のインパクトに、トイレ自体が隠れてしまっているのかもしれない。


やはりトイレの中には不動明王の姿はなし。



あまりに閑散としていたので、普段なら女子トイレの方にはカメラを向けないが女性トイレ表記もどうぞ。





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WOMEN



これもまた英語があってない女性トイレ表記。

どこの町娘だ。

懐かしいアニメ「一休さん」に出てきた、慈悲深し名ヒロイン「さよちゃん」を思い出させるシルエット。俗世界から自分を切り離せないでいる小坊主たちを翻弄したものだ。


先ほどの男性トイレ表記はお侍さんだと思っていたが、この女性トイレ表記の娘と年齢設定を合わせると、元服したてぐらいのものだろう。まだ腰の刀の鞘先を地面に引きずっているレベルの侍だ。


どちらもその簡略化ぶりから、ステルス戦闘機の姿すら思わせる。






その他に、島内のトイレの男女表記には、





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平家。


この島は平安時代に平家一族の崇敬を受けて反映した歴史があるので、平家の方のお姿があってもおかしくないのだ。現在の社殿を造ったのは平清盛だとか。


平に、平に、へけけだな。



ちなみに頭部は決してリーゼントではない。

どこにもヤンキー文明は栄えてなどいない。



そして女性の方は、








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お姫様である。

その衣の重なりっぷりはミルフィーユの如し。

明らかにちょっとトイレへと動ける着物の量ではない。

まるで梅干、そんな赤い塊。


現代に生まれてよかったね、ついでに貴族じゃなくてよかったね。

現代で貴族なら、いとよろしかったか?






ちなみに、




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トイレ案内板が笑っているように見える。






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