お前、トイレじゃん!
いい人との出会いは必然で、嫌な感じの人との出会いはたまたまであってもらいたい。
それはトイレも同じで、「ここのトイレは掃除が行き届いているかな?」、「音消しメロディーは何の曲だろう。マイナー調の知らない地方の民謡だったらどうしよう。どうしようもないがな」などと、まだ見ぬトイレにドキドキするものだ。
するよね?
人間、いつ何時、急な尿意・便意に襲われるか分からない。そんなときに家の中にいれば、行きつけのトイレで済ませるものだが、外だったりなんかした場合には名も知らぬトイレを利用しなければならない。
ほら、ちょっとはドキドキするでしょ。
個室の扉を開けたら、前の人の体から出た忘れ物があった日には、忘れられないアニバーサリーの一丁上がりである。手帳には茶色いペンで★マークでも書こう。
そう、トイレとの出会いは突然であり、スローモーションであり、ポリリズム。
どこでどんなトイレに遭遇するかは分からない。
それは友人の車の助手席に乗っているときであった。
車は赤信号に差し掛かり、スピードを緩めていた。
ふと窓の外に目をやると、ガレージ屋の店舗。
敷地内には、大量の物置・ガレージ等の「囲む・隠す・収める・ムフフ」ならお任せあれといった箱の数々。無いのはファンシーケースと電話BOXと棺桶くらいというほど種類があった。
その中の一か所に、物置と似てはいるけども異なる箱があったのだ。
お前、トイレじゃん!
よく工事現場や屋外のライブ会場などに設置されている仮設トイレが鎮座していた。
これぞ、突然の出会い。
赤信号でスピードが落ちていなければ見失っていたところであろう。
普通に仮設トイレが置かれていただけならば、「へー、仮設トイレってガレージ屋で買えるんだ・・・。まあ、トリビア、トリビア。誰かに他言することもないトリビア・・・」で済んでいただろう。
3分後にはB級グルメの話ですっかり忘れているはずだ。
ところが、どうやら貼り紙が貼られている。
あまりに突然のことで、「えっ・・、●●君のこと、友達としてしか見てなかったから・・・、告白されても困るって言うか・・・・・、全力で無理!お断りします!お引き取り願います!私がホウキを逆さに立てる前に!」状態である(ちょっと違う)。
ともかく、急いで取り出したるわ、独裁スイッチでもなく、透明になれる(自分の中では)薬でもなく、デジカメ。
いつ何時、トイレの貼り紙との出会いがあるか分からない。シャッターチャンスは待ってくれない。
最近、元はシャッターチャンス(フォーカス自体)を誤ったことから始まり、お薬で捕まり続けて自己記録を更新されたタレントさんもいるが、それとは関係ない。あと、もう彼には期待しない。
青信号になっても止まっていれば、後方からの車たちのクラクションは避けられない。
決してそれは知り合いの車とすれ違ったときのクラクションとは意図が違う。明らかに違う。名も顔も知らぬ私たちに対しての露骨な敵意だ。
つまりは事は急を要するとはこういうことだ。
急いで撮影したそこには、
「商品にて
使用禁止
商品にて 」
えっ?いるの?トライする人がいるの?
物置などが並んでいて、明らかにガレージ屋の敷地な上に、値札まで貼られているのにトライする人いるの?
公園だろうが、工事現場だろうが、店舗敷地内だろうが、屋外にあるトイレには、とりあえず人は入ってしまう習性があるのだろうか?むしろ自分が収納されたい的な。
そういえば、猫などは狭い箱に入ることで安心する傾向にあるが、人間もトイレの個室スペース的なところに入ることで、大げさに言えば胎内回帰のような安心感に包まれるのであろうか?この場合、閉所恐怖症の人の話は置いておく。
万が一の場合に対しての予備の役割の貼り紙なのか、それとも過去にトライ&脱糞をした世界は我を中心に回っている的なハートを持った人がいたのだろうか?
まあ、するしないの前に商品として、中の便器の様子を見てみたいという人は普通にいるだろう。
安い買い物でもないし、購入してから実際に跨って見るとホールド感がしっくり来ないということがあるかもしれない。
しかし、仮設トイレが置かれるような場所って、そこにトイレがあるだけでありがたられるような場所が多いので、便器の形が例え極端に湾曲していても用が足せるだけで満足するものだろう。
う~ん、例え展示品でも扉が空けば、水がなくても用だけは足せるはずである。とりあえず一時的にプライバシーが守られて、そこに穴さえ空いていれば・・・。拭く拭かないは個人の自由として。
過去にタフネスなハートを持った人がいたのかもしれない。
時として他人は、「そんなところ、そんなに強く握ったら折れちゃいますよ!」といったような、自分の想像外の行動を起こしてくれることがある。
別の言い方すれば、「事件」というヤツだ。
いないとも言い切れない。
「幽霊はいない→なんで?→見たことないから」理論と同じである。
「商品のトイレで用を足す人はいない→なんで?→だって商品だから→本当にそう思う?→うん、まあ・・・→どうしようもない急な便意に襲われた人がいても?→でも商品だよ?→扉が自由に開閉出来て入ってしまえば分からないよ→そんなバカな!→出して逃げてさ、何気ない顔しているかもよ→あっ、そういえば"出し逃げ"で思い出したんだけど、●●ちゃんの浮気相手なんだけど→あれ?あの娘まだあのろくでなしと関係続いていたの?→そうなのよ・・・」。
想像はインフィニティである。
ところで、
「中古 トイレ
現品価格
7 . 5万円 」
「中古トイレ」というフレーズも逆に新鮮さを感じてしまった。
どこを旅をしてきた仮設トイレなのだろう。
中古のたて笛に続いて、ちょっと抵抗があるけどもお手頃価格だ。
たった数分のこと。
信号は青になった。
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「厠イヤミ百景の一景」
・本当にあった怖い尻 (更新予定)
・女子マネージャー列伝 (更新予定)
・歩こうの会 おざな (更新予定)
出入禁
トイレの奥の奥で、外からの日差しを全面に取り込んでいる窓。
縦に長ネギを二本つなげても裕に通りそうなほどの大きさである。
なんなら竹刀でも、ナギナタでも通りそうだ。
トイレというのは只でさえジメジメとしがちな場所である。
「シイタケを栽培したい!」、「綺麗な色のカビが見てみたい、一度でいいけど」なんて場合にはもってこいだが、たいていの人はジメジメはあまり好まない。
そんな一線こと、窓があるトイレとないトイレとでは開放感にかなりの差がある。
レンタルオフィスだって、窓のある部屋と窓のない部屋とでは一か月分の賃料に差が出てくるくらいだ。
窓のないオフィスは、いろんな意味で空気が悪くなるかもしれない。
さすがにトイレに数時間籠城したりするわけではないが、窓があるだけで風が抜け、日光が射してくる。
誰かが排出した腸内のガスの匂いも風と共に去ってくれるわけだ。
数人分の放屁くらいならば、あっという間に空気を循環しそうなほど大きめな窓辺に、小さな貼り紙が貼られていた。
「トイレの窓からの
出入りは絶対に
お断り致します
管理事務室 」
どうした?ねずみ小僧でも出入りするのか、ここのトイレは。
ちなみに一階です。
ここは都内のとある区の施設であり、当然玄関という入り口があり、誰でも出入り出来る。
入り口に警備員さんなんかがいて、「ちょっと、すいません!IDを!」と言われることはないし、もちろんノーネクタイでも問題ない。
なにも出入りにめんどくさい問題点は一つもない。
確かに先ほどから何度も言うが、ここのトイレの窓は大きい。
応援団の旗も何かしらの優勝トロフィーなんかも余裕で通るし、全く切っていないソバ、うどん、そうめんも通せるだろう。
人が通ろうと思えば大きさに問題はない。
「お尻がつっかえちゃったぁ~、じたばた」なんてことにはならないだろう。
ここで口で「じたばた」なんか言っちゃう人とは一生友達にはなれないと思うが。
ここで一歩引いてみよう。
窓にぼんやりと何かしらの影が映っている。
鋭角のものが映り込んでいる。
コクヨのノートではないのは確かだ。
ちょっと窓を開けてみる。
こりゃまた失礼。あらまた失礼。
隙間から見えるのは、物置だった。
はっきり言って、物置があるせいで窓をおもいっきり開けることが出来ない。
それと共に、到底人が通れるような隙間が窓と物置の間にない。
これでは貼り紙に書かれていることは不可能ではないか。
猫か?猫でもターゲットにした貼り紙なのか?
これは一度外から見た窓の絵も撮影しなければと、玄関ホールから外に出ての物置付近に回ってみた。
いざ写真を撮ろうと思うと、どうも先ほどから声が聞こえているなと思ってはいたが、そこそこの子供たちが体力の上限知らずよろしく走り回っている。
ここの施設には、子供向けの遊具などもあり、また足を運んだ時期が夏休み中ということもあってか、どこにも連れて行ってもらえない子供たちの溜まり場になっていた。
ここでカメラを出してはなんだか、軽く白目向きながらハイテンションで遊んでいる子供を撮影するのが好きな人なんじゃないかなと誤解を生んでしまう恐れがある。
なんなら世の中的には「正気か?」と問われることになる。
トイレの貼り紙を撮り集めている時点で正気の沙汰ではないが、それはまだお笑い的要素がある。
しかし、よそ様の子供なんか撮影してしまった日には弁明の余地がない。
というわけで、外からの窓&物置の撮影は諦めたが、一つ分かったことがある。
先ほどから、「かきくけこ」を「きゃきぃきゅきぇきょー!」と言いそうなほどの、はしゃぎっぷりの子供たち。
追いかけっこに興じているけれど、傍から見ると全員見えない何かから追いかけられているじゃないかなと心配してしまいそうな全速力ぶり。
見ていると、先ほどの物置と壁の隙間から出てくる子供もいる。
思わず黒い虫が浮かんだが、そこは黙っておこう。
場合によっては、あの窓から施設内に入り込むことだって可能だ。高さ的にも問題ない。
追いかけっこがフルスロットルになれば、穴という穴に逃げ込むだろう。
借金をしているわけでもないのに、隠れ切った方が偉い遊びだってしてるはずだ。
ここで、あの貼り紙が誰に向けて書かれたものか謎は解けた。
暑い日差しの下、子供たちの声が甲高く響いていた。
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「厠イヤミ百景の一景」
・本当にあった怖い尻 (更新予定)
・女子マネージャー列伝 (更新予定)
・歩こうの会 おざな (更新予定)
テレビ番組のキャラクターを描きました
こんばんは、「厠イヤミ百景」の管理人のイラストレーターの森本レオリオ/leolioです。
更新が怠っていて申し訳ないです。
ですが、ちょっとご報告です。
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TBS 9月29日(水)
「THEス族~体育会系超おバカ映像100連発 世界の最強超人SP!」
19:00~21:54
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という番組にて、番組のマスコットキャラクターを描かせて頂きました(上のイラストは関係ないです)。
「スーゾー君」という名前です。
ゴールデンの時間帯ですので、TBS系列でしたら放送時間帯は全国みんな同じだと思います。よろしければ観て下さい。
当方はキャラクターデザイン&イラストのお仕事をしたのですが、確かいろんな意味で立体的にされていると思います。
イラストのお仕事はいつでもウェルカムなんでお気軽にご連絡下さい。お急ぎの場合でももちろんOKです。
だいたいどんな感じの内容のものかを文章か口頭で伝えて下さったら、もう描きますんで。
価格は割とお手頃です。
TEL:080-3109-6282
leolioxp@yahoo.co.jp
次の更新は明後日になります。
ではでは。
*追伸:後日、番組中に芸能人たちのトーク中にワイプで出てくるイラストも描かせて頂きました。たんまり出ます。