1ロールのトイレットペーパーのようなもの
こんにちは、「厠イヤミ百景」の管理人こと、イラストレーターの森本レオリオです。
この度の大震災の件は本当に心が痛みます。涙もろくなってしまっているので、隠れてこっそり泣いてます、よく泣いています。
当方としては今勝手に一人でやっている「コンビニのお釣りは全て募金箱行き」運動くらいしか出来ませんが、一日でも早い復興を願うばかりです。
無力な当方ですが、微々たるものでも震災にあわれた方々の力になればと思います。
初めましての方にも説明させて頂きますと、ここのブログでは全国のトイレの貼り紙を撮り集めているブログです。
最初はただ「おもしろい」という感覚だけで撮り集めていたのですが、トイレでカメラという、いつ生じるか分からない誤解に恐れながらも、かなりの数のトイレの貼り紙を撮り集めているうちに気付いたことがあります。
貼り紙というものは、人の顔、その周辺の環境が見えるんです。
「ああ、この貼り紙を作った人はこんな性格なんじゃないのかな」
「ああ、ここら辺はこんな人が集まってくる場所なのかな」
「ああ、普段からロクな使われ方してないのね」
なんて、たった一枚の紙からいろんなことが読めます。
トイレに行かない人なんていません。
いろんな人が集まるトイレ。また普段の社会生活の中で「解放区」の面も持っているトイレ。
そこは人の素が出てくるところだと思います。
トイレの貼り紙と撮っているつもりが、いつの間にか人を撮っていたようです。
普段意識なんてしていませんでしたが、人が好きだったようです、当方。
今こそ誰かの役に立ちたいと思うのですが、ここはトイレの貼り紙を撮っては紹介するだけのブログ。
今日は自分で撮影したものではありませんが、紹介したいトイレの貼り紙があったのでここにリンクを貼っておきます。
bigafさんという方がtwitpicに上げていたトイレの貼り紙です。
貼り紙の文面は、
「トイレご利用のお客様へお願い
トイレットペーパーは
レジカウンターに在ります
使用後、戻してください
節約にご協力ください 店主 」
ここ数日で店主の方が作られたものだと思います。
トイレを使用するならば、まずレジカウンターでトイレットペーパーを一時借り出してから使って下さいという状況のようです。そして使用後はそれをレジに返すということになっています。コンビニかなにかでしょうか。
買い占めをする傾向が都心を含め西側にまで拡がっています。本当に必要なところに回らなくなる恐れがあるので、あまりいい行動ではありません。
しかし買占めをする方々の気持ちもよく分かります。いざというときに大事な人たちを守れるのならば守りたいものです。パン一個あっただけで、明日一日につながるということもあるかもしれません。それを考えると、頭ごなしに責めることなんて出来ません。中には購入したものを東北の親戚に送ってあげたいという人もいることでしょうし。
もともと、「納豆が健康にいい」とテレビで放送すれば納豆がスーパーから消えるような、茶目っけたっぷりの国民性の日本人です(だから一時期"オレオレ詐欺"で騙される人もいたのでしょう)。
Aさんも買うし、BさんもCさんも買うなら私も!といった、私たちのDNAに組み込まれた右の人にならへの性質から来ているんだと思います。
それに加えて連日のテレビによる悲劇の映像と、避難して食糧不足に陥っている人々という姿を見ているというのもあると思います。
トイレットペーパーの買い占めも行われているようで、公共の施設ではトイレのトイレットペーパーを持ち去る人もいるという話も聞きます。それを防ぐための上の貼り紙でしょう。盗難の恐れがあるので、紙をレジカウンターで管理しているようです。
そういうこともあって上のような貼り紙が作られたのでしょう。
あの震災の日を境に日本人のどこかで「普通」というものが変わってしまったのは分かります。
震災に合われていない地域の方の心にも、何か別の震災が来てしまっている感も否めません。
確かに衝撃的でしたし、一つの言葉で言えば恐怖です。生命の損失に関わる恐怖です。
でも、その恐怖に支配されてしまっては切り開ける未来も萎んでしまう気もします。
ここはトイレの貼り紙を扱うブログなので、トイレットぺーパーで例えさせてもらいますが、公共のトイレなんかは一ロールのトイレペーパーを、みんなが己の適量を己で決めて紙をちぎって使います。みんなで一ロールの紙を分けて使うものです。
誰か一人がたくさん使えば、もちろん後で使う人の分は減ってしまいます。もしかすると、紙がなくなってしまうことが起こりうるかもしれません。
トイレの個室に入って用を足した後に紙がないなんて、個人規模での悲劇レベルで言えば三本指に入ります。
それと同じことが今行われている気がします。誰かが紙を大量に使えば、他の人が使う分が減ってしまいます。もしかすると、本来拭けたであろうお尻が拭けない人が出てくるかもしれません。
もちろん、日頃からの震災対策も非常食の確保も大事です。かなり大事です。
でも必要以上の買い溜め、またそれに伴い必要なものが必要な人に回ってこなくなるような現象は出来れば避けたいものです。
心情風景としては、いま日本中が雨に濡れた子犬のような感じです。分かります。でも陽がさせば濡れた体もいずれ乾きます。生まれなくてもいい混乱などは出来るだけ引き起こさないようにしたいところです。
自分が使ったトイレットペーパーの分が、他の誰かに影響するかもしれないということを忘れないで欲しいです。
ほら、新製品に飛びつかなくても、ちょっと待てばさらにいい新製品が出るでしょ?だから一時的な感情に踊らされるよりは、冷静に、冷静に。
懐中電灯に使う単一電池が街の商店から消えたそうなので、「単一電池が手に入らないと、私、お嫁に行けない!」という人のために、こちらを紹介したいと思います。
単3電池から単1電池を作る方法 (何も足さない、何も引かない さん より)
http://meteor.blog.avis.jp/archives/218
NHKの教育番組の「できるかな」レベルの工作です。みんなで一緒に紙をぐるぐる巻くのも楽しいかもしれません。単三電池ならば普通に売ってますしね。
もちろん、こういう現実も忘れてはいけません。
辰巳琢郎さんのブログ
「地獄…」
http://ameblo.jp/tatsumitakuro/entry-10831822328.html
1014sakiさんのブログ
「福島から。」
http://ameblo.jp/1014saki/entry-10833020174.html
テレビで避難所の様子が放送されていますが、まだあそこらの避難所はいい方の場所だと思います。テレビの「画」的に合っている場所が選ばれているのでしょう。
こちらもテレビでは全く報道されていませんが、茨城県の方もかなりの被害があったようです。
あしたの学校さんのブログ
「みんなで故郷の茨城県を救おう!」
http://ameblo.jp/ashitano-gakkou/entry-10829985456.html#cbox
私たちに出来ることは本当に微々たるものです。でもトイレットペーパーと同じで、紙の使用量を節約した分は後で使う人の方が使う分になるように、一人一人の心がけが大事です。「もう一度たためば、まだ拭ける!まだ拭ける!」みたいにね。
私たち一人一人の行いがどこかの誰かにつながっているはずです。
もし、大量に買占めをしてなかったからお尻が拭けなかったなんてことがあったら言って下さい。お尻を拭きに参りますので。
もちろん交通費下さいね。
うちのラジオでも、急きょ一人で誰かのいつかの役に立てればと収録しておきました。
『地震マニュアル的なもの。がんばろうよ!vol.1』(26分47秒)
http://necokarasuma.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/vol1-a5f5.html
『地震マニュアル的なもの。がんばろうよ!vol.2』(43分09秒)
http://necokarasuma.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/vol2-7992.html
すみませんね、こういうことしか出来なくて。
では、次回はいつものトイレの貼り紙の話に戻ります。
笑顔って誰かの笑顔につながりますものね、出来るだけ笑える記事書きます。
お相手はイラストレーターの森本レオリオでした。