永久奉仕 | 厠(かわや)イヤミ百景

永久奉仕


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小水用の便器の前の壁に、とても一分そこらで終わるSB(小便)の間に読み切れるとは思えない長い文章が貼られていた。

恋文か、はたまた遺言状か、新しい電化製品の説明書としては短すぎるソレ。

ちょっと長いので分けて読んで行くことにする。







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「■■■のうぬぼれ

 たかが焼鳥屋で

       世の中を変えたいのです

 心を込めて焼いた焼鳥

 その焼鳥を真心込めた笑顔で

 お客様に提供していきたい     」



説明が遅れたが、焼鳥屋のトイレである。

店名はこちらで■で伏せておいたが、その焼鳥屋が己のうぬぼれ具合をトイレでご説明だ。


なぜかトイレで説かされるうぬぼれ。

それは決してうぬぼれではないであろうということが容易に想像出来る。


「たかが焼鳥で世の中を変えたいのです」


エリック・クラプトンが♪チェンジ・ザ・ワールド♪と有名なフレーズを口ずさんだ後にに、♪バイ・ローストチキン♪と歌ったであろうか?答えはノークラプトンだ。


しかしここの焼鳥屋は世界を変えたいらしい。

この時点で実は焼き鳥ではなく、地下倉庫に核爆弾でも作ってしまったのかと思えば、どうやら焼鳥の話が始まるようだ。



「 心を込めて焼いた焼鳥

 その焼鳥を真心込めた笑顔で

 お客様に提供していきたい 」


目に見えないものはいくらでも言えるものだが、何やら心を込めて込めて込めまくっているらしい。

もう少しのところで、焼かれた鳥の方も心を持ってしまうことだろう。


「やべ、俺いい匂いする!」と。





1034

<焼鳥屋で丸焼きは出ないけどね>







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「焼鳥を食べられたお客様のしあわせそうな顔

 帰りがけに「おいしかったよ」と暖かい一言

 「ありがとうございます」と感謝の気持ち、

 お客様のその顔その一言が私たちの喜びなのです

 そんな心と心のふれあいで世の中を明るくしていきたい 」


 

上記の貼り紙の文章を書き写している途中で、「あれ、これってちょっとマゾッ気の入った中学男子の一方的な恋文だったっけ?」と思い込みそうになったが、「焼鳥」「お客様」の文字でかろうじて焼鳥屋であることを思い出す。


居酒屋のトイレは、客が酒や料理をつまみつつ団欒する時間の中休みのような場所だ。

騒がしい店内を離れ、一人きりになり用を足しているときこそ、店側と客とがガッチリ向き合える時間である。しかも用を足している間、客は身動きが取れない。

絶好の告白のチャンスである。


そこにぶつけて来たのが、このありそうでなさそうなドラマの説明と、いかに我々がマゾで低姿勢でハート・トウ・ハートで世界を変えたいかの自称うぬぼれ文。焼鳥屋でなければ、とっくに私の歯は浮きまくりポロポロと抜けているところである。


「焼鳥を無料で配ると笑顔の花が咲きまくるよ!」と言いたいところだが、そこはあちら様も商売であり、そうもいくまい。




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「たかが焼鳥屋 されど焼鳥屋

 そんなうぬぼれを■■■は

 持ち続けています


          永遠奉仕   」



まあ焼鳥屋さんが焼鳥を焼いている最中に何を考えておられようが、客は知ったことではない。

わざわざ伝えてくれなくてもよい話だ。


焼鳥を焼きながら、明日の競馬の予想をしていても、キャバクラ嬢のかおりちゃん(本名:玉江)をどうアフターに誘うかを考えていても、はたまたどうやってこの腐敗した世界を変えてやろうかと作戦を練っておられても、焼鳥さえ生焼けでなければなんでもよい。

いちいち相手がどう考えているかを懸念するのは、将棋の試合か大事な取引のときだけでよい。

焼鳥は食って美味ければよいのだ。


こういった社内理念みたいなのをでかでかと掲げてアピールして、いかにうちの会社が素ん晴らしいかをこちらに訴えてくるのはちょっと控えてもらいたいのココロ。

やるならわざわざ回りくどい言い回しをせずに「世界を変えるうまさ!サムライチキン!」もとい、料理屋ならば料理が美味ければ、それが真実である。こちらの酔いもさめないし、はんなりした下半身からもよい勢いのある尿が出るというもの。



例え某料亭が格式と伝統を兼ね揃えていようが、料理が悪ければそれは料理屋ではなく悪の秘密(台所)結社である。

どんなにグルメ評論家たちが褒め称えたり、タイヤメーカーがアホみたいな本を出そうが、実際に食べた各々が感じたことがその人の世界で、全てなのだ。自分の舌を信じて、各々ブログで書いたりしちゃえばいい。

「星三つです!でも黒い星だけどね!」



それにしても・・・・


「きっちょう!きっちょう!」・・・・すみません。

今のは、くしゃみだ。変なくしゃみが出てしまいました、すみません。

「女将、店たため!」・・・・・くしゃみだ。

「腕のある料理人は今の内に再就職先を探せ!」・・・・・これもくしゃみだ。



まあそういった社訓のようなものも、実際バイトの子たちが心底思っているとは到底思えない。

社訓など読み上げるだけ読ませたところで、それが通じるかどうかは個人個人の仕事ぶりが客なりに伝わってこそ確信するというもの。「お客様は神様です」みたいなのはどうでもいいので、「食べ残しを使い回ししない」といった辺りを忘れずに指差し点呼してもらいたいところである。


客に説くにしても、もうちょっとユニークを込めて作って欲しい。

ぐだぐだ言ってないで、一分でも早く肉を焼いて欲しい。そっちが笑顔ならこちらも自然と笑顔になるさ。

いや、ここは早くて安くて美味くてといいお店ですよ。



いや、でも、永久奉仕という四文字熟語は気に入った。

メイド喫茶なんかにでかでかと掲げて欲しいところです(さっきと言ってること違ってすみません)。


米寿を過ぎたメイドさんなんか出てきたりなんぞして。

30歳だろうと、永久アイドルと本人が言い切ればアイドルである。

でも路上でパンツは・・・、揖保の糸のようなパンツは見せちゃ駄目。


そよかぜのキッスこと、風のイタズラで見えてこそ嬉しいものです(度々すみません)。






ちなみに先ほどから全ての写真に変な影が写り込んでいるのは、





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別に壁から生えているわけじゃないよ。








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都内、某焼鳥屋にて

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