清潔にありがとう!
「"清潔に"
ご利用頂き
ありがとう! 」
メジロの意見に違いない。メジロがしゃべっているに違いない。
上からの目線なのか、下からなのか、どこからの意見なのかと問うならば、メジロの意見なのだ。
男子トイレ、連なって並ぶ小便器の前の壁に、みかんをついばむメジロのブロマイド写真が。
魚のような黒目ど真ん中の目線がセクシーバード。
なぜゆえにこのような写真がトイレの壁に。
しかもその横のイヤミ釘刺し一句と全くの関係なし。どこちらかと言うと、野生の鳥はフン垂れ流し状態である。
なにも考えずにSB(小便)をしようと思って、ふと顔を上げればバード。
尖ったクチバシで突っつくのはみかんだけであって欲しい。
ここは某公民館、なにやらここの職員さんか、ここでよく会合などを行っている方、まあ素人の方が撮った可能性が高いこの写真。
だって、生写真が貼られているのだもの。
どこにも隠そうという姿勢が見られない手作り感たんまりのその貼り紙、もとい色紙。
そしてノリ付けされた生写真。
そのインパクトにも負けない、前文の「ご利用頂き」といった低姿勢を見事に踏み台にした、フランクな語り口調の「ありがとう!」。
ビックリマークも忘れずに。
なんだか無茶苦茶なのも、メジロだから仕方ない。
猫より脳みその大きいカラスならば、もうちょっと口調に一貫性があったかもしれない。
最初っから上から目線とか。
続きまして、
「きれいに
ご利用
頂き
ありがとう
ございます 」
どうしても写真を見せたいらしい。
ここの公民館に勤めている人の暴君の匂いがぷんぷんしてきた。
そんなに趣味の写真を見せたいのか?
確かにSB(小便)をしているときに、人は動きが止まるものである。
なかなか100メートル全力疾走しながら用を足す人はいない。
電車の中など人の動きが止まるところに広告があるように、トイレという場所には人に読ませたい・見せたいものがよく存在する。貼り紙などはまさにそのものだが、ここに自分で撮った写真を貼り出すとは考えたものである。
さしずめギャラリートイレットではないか。
藁ぼっちと呼ばれる防寒対策をされた牡丹の写真、見せたい気持ちも分かるがあまりに貼り紙の文句に合っていない。
花の言葉か?牡丹がしゃべっているのか?藁の家に住んでいる牡丹がしゃべっているのか?
まあ閉塞された空間にこのような自然を感じる写真があるのは、少しは気持ちが清々しくなるものである。そのクリーンさとならば、貼り紙の文章もつながりがないこともない。
でもご趣味。
思うに、メジロの方の貼り紙は思い切って文章書いたら、先読みが出来なかったスペース的な問題から、「ありがとう」の後に「ございます」を書くスペースを見失ったのだろう。
その代わりの「!」ことビックリマーク。
どこか挨拶っぽいです。
写真を小さくするって案は、最初からなかったはずである。
もしかすると、写真が始めにありきの貼り紙かもしれない。
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「厠イヤミ百景の一景」
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(第14回伊丹十三記念館に行った話)
都内、某公民館にて