読書中?
「
お客様各位
最近トイレの個室を数時間にわたり、御利用のお客様が
いて、大変困惑しております。長時間のご利用は他の
お客様にご迷惑をおかけします。また当店では、トイレ
個室内の飲食、喫煙をかたくお断りしています。
もし不審者にお気づきのお客様がおいでになりましたら
お手数ですが係員までお知らせ下さい。
□■□■□■□書店 」
「御利用」という単語が、「占拠」という単語に転がったいい例だ。
同じ個室に数時間いるにしてもカラオケBOXならまだしも、トイレの個室だと「占拠」になってしまう。
しかも既に気付かれた方もおられると思うが、ここは本屋さんだ。
・・・・・さしずめ読書でもしているのだろう。
トイレの個室で読書に勤しむ輩がいるのだろう。
売り物の本で。
最近、立ち読みならぬ座り読みもOKよ、といった大型書店が増えて来ている。
ここもビル数階に渡って展開している大型書店であり、ゆっくり選べよと言わんばかりに店内の空きスペース及び、風水的に気が澱みそうなところに椅子なんかおいてくれてたりなんかする。
本棚の側面部分なんかもよく有効利用されてたりする。
今まで書店というところは長くに渡って、立ち読み禁止令が暗黙のもとに敢行されていたが、ここ数年スローライフとかいう生き方が流行ったりなんかするのに合わせて、もっと書店での買い物を楽しませようという試みが増えてきた(近年の本の売り上げ減傾向も背景にある)。
中にはスターバックスなど、飲食ご法度だった書店と同じ敷地内におされ(おしゃれ)カフェが隣接しており、おされ(おしゃれ)コーヒーを飲みながら本を選べたりするらしい。
紙のものに対して水ものとは天敵この上ないのに、優雅さと快適さを優先すると怖いものはないようだ。
ホテルのロビーのつもりで、とりあえずリラックスしていけと。
そうすると中には気が大きくゆるむ人が出てくるものだ。
商品でありながら、自分の本を読むかの如く乱暴に扱ってみたり、ページをめくるのにいちいち指舐めてみたり、気になったページの端を折ってみたり、なんならマーカーでも引こうかしらみたいな、ゆったりするにも程があるだろうとツッコミたくなる輩が。
そして極稀にイッてしまった人の中には、もっと静かなところで集中して本を読みたいと願うものが出てくるだろう。
「なんで私の前を人が行き来をするんだ?気が散るじゃないか。
あれ?そういえば、ゆっくり本が読める部屋があるじゃないか。
家でもあそこだと落ちつくんだよね。
本は欠かせないよと。 」
そりゃ本屋なんで人も行き来して当たり前だ。
その結果が数時間に及ぶ、本屋の個室の占拠ではないだろうか?
気がゆるんだのが先か?お尻の穴がゆるんだのが先か?
よく店内直通のトイレには、未清算の商品を持ち込まないで下さいとお願いがあるもので、ここのトイレにも未清算品の持ち込み禁止のお願いが出ている。
しかし本というものは、CDやDVDや洋服のように万引き防止用の防犯タグを取り付けれるものじゃない。そのためにトイレ前には防犯ゲートもなく、やろうと思えばトイレに本を持ち込むことは十分可能だ。
それ故に、ゆったり読書を優先した末に、トイレの個室内での読書を試みた人が出現したのかもしれない。
一応は買うかどうか選定中ということで。
そしてお腹が空いたら、個室の中でそのまま持参したご飯をイーティング。
本を買ってから家でやれという話だが、数時間かければ読み切れる本もあるわけで、本代も浮くわけだ。
厚い本の場合は数日かければ読めるし、下手すればここの書店の本は誰かの大きな本棚ということになるではないか。
こういう常識破りのマナー知らずは、きっと自宅なりの玄関のドアが開きっぱなしなのだろう。きっと家の中と外とが繋がりっぱなしなのだ。だから外でも家の中にいるが如く振舞えるのだ。
困ったちゃんこの上なし。
ただでさえ書店というのは、日本国内で減りつつある一方だ。
あんまり本屋をいじめてあげないでくれ。
そして小さな小さな書店さんが、エロ傾向の本を多く棚に並べているのは、ある一握りの堅いお客さんの層を死守するためなのだから、決して冷ややかな目で見たりしてはならない。知恵なのだ。
そういえば、エロい本はほとんどが封がされてある。
これが封を切られて、トイレに持ち込まれたりしたら最悪だ。
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「厠イヤミ百景の一景」
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(第13回大人のためのおもちゃ販売のバイト)
都内、某書店内にて