男性がおれば痴漢とみなします
「ここは女子トイレです
男性がおれば痴漢と
見做します。
管理事務所 」
某商業施設の通路沿いにいきなり現れた痴漢宣告の貼り紙。
そこは急に壁がへこむように作られた女子トイレの入口だった。
普段なら女子トイレの入口にはカメラを向けないが、運良く女性と一緒に歩いていたために代わりに撮影してもらった一枚だ。
しかしここは普通に商業ビルの通路沿いなのだ。まだ明らかにトイレへと繋がる通路沿いならばまだしも、天下の往来の如し、誰もが通る通路に先手打ちとばかりにこの強気の一枚。
まるで何かしら悪霊退散的な想いを込めたお札のように壁に貼られ、男子絶対禁制領域を宣告。
確かに女性トイレに男性の姿は絶対あってはならない。
例え転がったおにぎりを追いかけている内に、うっかり周りを見渡せば女子トイレ!といった状況でも許されないものは許されない。意図的じゃないにしても、いくら「それでも僕はやってない」と叫んだとしても、ここでは痴漢扱いのようだ。
だがしかしだ。
これの逆はよくある。見かけてしまう目撃ドキュン。
何かしら観光スポット然り、遊園地など女性トイレの行列といったら、人気ラーメン店がトイレの奥にあるんじゃないかしらと思ってしまうほどだ。スープにコラーゲン500パーセントぐらい配合のラーメン店が。
そんなときに、最初は女性群の列に並んでいたはずなのに、何かしら自信の中で「こりゃ漏れる!漏らしてしまうがな!」の緊急アラームと共に、スイッチが切り替わってしまう女性がいる。
男女切り替えスイッチをお持ちのようで、普段なら女性側に倒れているスイッチを男性側に切り替えるのだ。
そして「空いている方を使わないことの方がおかしい」という論理武装を片手に、男性側のトイレへと踏み込んでくる。
大抵は、何と言うかパンツの大きさが若かりし頃と比べて一回り大きくなった妙齢の女性が登場してくるのだが、それでもそのときに男性トイレにいた男性陣の、
「どよ どよ どよ」
「ざわ ざわ ざわ」
というどよめき&ざわめきは、擬音の文字が目に見えてしまいそうなほどだ。
その場、その瞬間にたまたま出くわしてしまった男性陣は刻の涙も見ることとなる。
まあ女性トイレに男性が登場した際には、前述の擬音など比べものにならないほど、野菜を切り刻んだり出来そうなくらいに尖った悲鳴が上がることだろう。
それならば、「こりゃ!この痴漢!この欲求不満!スポーツでいい汗かけ!」と取り押さえてくれても構わないが、前を通ったくらいで痴漢扱いはやめてもらいたい。
写真をよく見れば、奥の真の女性トイレ入口辺りの貼り紙にも「みなします。」の文字がぼんやり伺える。
そこまで行けば、みなしてよし。
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「厠イヤミ百景の一景」
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(第13回大人のためのおもちゃ販売のバイト)
関西、某商業ビル内にて