トイレの水で乾杯・・・ | 厠(かわや)イヤミ百景

トイレの水で乾杯・・・


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信越地方、とある深い山間にある一見するとコテージのような造りのトイレ。

観光地となっているだけあって、トイレへの力の入れ具合もそこらのものとはちょっと違う。


まるで中にお土産があっても不思議じゃない。

しかし峠の釜飯や団子を期待して入ると便器しかないのが現実だ。



では入ってみようと建物前に立つと、入り口がどこかの和風建築の旧家のように、すりガラスの入った引き戸となっていた。想像しにくい方はサザエさんの家の玄関を思い出してほしい。ガラガラガラと音がなるタイプのものである。


そしてその引き戸に既に何枚かの貼り紙が、






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拡大します。





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中に入って



いきなりのタメ口である。

どこかおばあちゃんの家にでも招かれているかのような感じが否めない。


ガムテープで貼られたそれは、どうやら横の男性マークと矢印マークとを同じ視界に入れて読まなければならないようだ。

左から読めば、その意図する流れが分かる。


このトイレの引き戸を開けてから、左に進めば男、右に進めば女となっている。

やっぱりどこかの家の玄関みたいだ。



他には、





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ごみ箱は外にございます

皆様のご協力により

この公衆トイレは

きれいに保たれております  」


いつもの釘刺しイヤミは置いておいて、ごみ箱が外にあると言っているからには、ごみの放置プレイが横行しているのであろう。SB(小便)なり、DB(大便)なりを排泄すると共に、ちょっとしたゴミも出したい人もいるかもしれないが、トイレで出していいのは自分の体から出たものだけと、事前にNOごみ箱宣言通知である。



ごみに関しては後ほど、大きな看板が出てくるのでそちらまで話を取っておこう。




すりガラスの引き戸にいろいろ貼ってあると、普通のご家庭の玄関にたまにある、「セールスおことわり」の貼り紙とダブって見てしまいそうだ。もしくは「猛犬注意」



それでももういっちょだけ貼ってあるのだ。





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足元がぬれてすべりやすくなりますご注意ください。


ハンカチ

お持ちください。                        」



一瞬、そのハンカチで濡れた地面を拭くのかと思われた方は、かわいいうっかりさんだ。

ハンカチと言うからには、トイレ使用後に手を洗った後に拭くものがないので、手の水をぶるんぶるんと払う人が後を絶たずに、トイレ内の床はその水しぶきで今や軽く川のようになっているのかと思いきや、中は当然そうでもない。


先ほども書いたが、ここは普段から運動不足気味で炭水化物大好きっ子の方じゃなくても、とてもじゃないけど歩いて来れるようなところではない。

「標高」という単語が常に頭の中につきまとってくる上に、常日頃から霧に包まれているようなところである。

「仙人?そりゃいるかもね。」といった感じだ。


そりゃ自然と空気中に含まれる湿気も高いというもの。お肌を常に潤わしたい方には持ってこいだろう。ただし日用品が欲しい場合には、♪すぐそこ サンクス♪どころか、♪すぐそこ 三キロ♪となってしまうこと請け合いだ。実際のところは三キロどころではない。


そのためか、トイレ内はどこらかしこも濡れている。

床も壁も便器も当然ながら、水道管に至ってはその水の冷たさから表面は水滴で包まれている。


足元がすべるとはそういうことだ。

ハンカチは別にそのウェッティ対策でもなんでもなく、エチケットの範疇の話だろう。

つまりはそれぞれの文章は別物こと、紙のスペースの省エネだったようだ。



ここのトイレの建物自体に、しっかりした引き戸が付いているのも冬場の寒さがもの凄いことになるからであろう。



では、すりガラスをガラガラと引いて中へと。

入ってから突き当りに、このような一筆を見ることが出来た。






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お客様へ

トイレはきれいに使って下さい

あとの人のためにも     」



先ほどの貼り紙のハンカチ部分が単品で貼られているということは、先ほどのはただ単に一緒の紙に印刷してしまっただけという線が濃厚だ。


さて、写真で見てみると短冊の紙くらいのサイズに思われるかもしれないが、これがなんの、このように滝のように撮らなければならないほどデカい、長いのだ。私の足の長さよりも長い。

ここを通る人誰でも一度は目を通してしまうサイズである。


まるでジェットコースターの並び口付近にある、「この身長に届かないお友達はごめんね。大きくなるまで乗るのを待ってね!」の看板のようだ。

子供からすれば、「いつもきれいにご利用・・・」のように、「お前と友達になった覚えは、この数年のメモリーの中で1バイトほどもない!」と言いたいところだろうが、さすがにそちらの方は遠心力でふっとんだ際に無傷とは思えないので大人しく体が成長するのを待ってもらいたい。



また、


お客様へ

あとの人のためにも 

トイレはきれいに使って下さい 」



ではなく、貼られているように、



お客様へ

トイレはきれいに使って下さい

あとの人のためにも     」



あとの人のためにもの部分を倒置して、後に回してある辺りにこの文章を書かれた方のセンスと一番注目させたいところが伺える。多分、山の仙人がお書きになったのであろう。そうに違いない。

きっとトイレを汚す観光客が多いために、地元住民から相談されて一筆書いたのであろう。

想像力は膨らむばかり。




そして便器がある辺りには、これといったものは見当たらなかったのだが、洗面台の方に、






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各一つずつの洗面台にセリフがあるのが分かる。

では、真正面にカメラを構えてみよう。








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この水はのめません



即答で「のみません」と言いたいところだが、全国津々浦々からいろんな方が訪れる観光地。中には標高が高くなるにつれ、喉が渇いてしまうといった不思議な持病をお持ちの方もいるかもしれない。

もしくは自動販売機はその名の通り自動で機械が動いているようで、実は箱の中にはあのサイズよりちょっと小さい人がいて、その人が一日中頑張っていると思っている人がいるかもしれない。取り出し口の「ガッコン!」とジュースが落ちてくるところも、実は中の人が手から落としているだけとか考えて、その箱の中の様子を想像するだけで、もう自動販売機が怖くて怖くて仕方ない自動販売機恐怖症の人もどこかにいるだろう。


そんな人はトイレだろうが、大きな公園内の球場のマウンドに撒く用の水のホースだろうが、水が出る場所ではドリンキングを始めてしまうはずだ。そんなときにこの無駄のない一言。



推測するにだが、ここのトイレの水は山水直通かもしれない。

ただでさえ山の上である、下から水道管を引き伸ばすよりも、"上から"と書いて"山から"直に水を引いた方が早いと言うもの。

そりゃ一度ダムに貯水され様々な浄水処理の後に水道管を捻れば出てくる水を待つよりも、ここいら一帯放っておいても山の湧き水で溢れ返っていそうだ。ただでさえ湿気で溢れているところに、わざわざカルキ臭&塩素を加えた水は出番ではない。


また高速道路のサービスエリア然り、観光客は何かと観光地でそんなに出そうでなくても一度はトイレに行きがちである。その度にじゃかじゃか使われる水の水道代も半端な額ではないはず。ここいら一帯を挙げて観光客を誘致しているこのスポットの財政に多少なり影響がなくもないと思われる。

ただでさえ周りに水は溢れていると来ている、ではと水道代を抑えるべく山水を使っているということもあるかもしれない。


そんなときに何も知らない観光客が洗面台で水を捻ってみれば、かなり冷たい。

人間不思議なもので、「きゃあ、ちべたい!!」といった水はついつい飲みたくなるものだ。


しかもここが山間と来ている。

周りはマイナスイオンはたんまり。

空気も缶詰に詰めたいほど美味しい。


ここで水がかなり冷たいと来たら、直感的に「山の天然水」といったミネラルウォーターと安易に直結してしまい、これは飲んでみなくてはと飲む人がいないとは言い切れない。



ただし、ここの水は飲用に関して保証はない。

水道局が水質に細かい神経を配って、「ミネラルウォーターより美味しいんです!」と判子を押したレベルの安心はない。



飲んだが最後、抵抗力のない胃腸は太鼓のように轟き響き、トイレから出ようと思っていた貴方は個室へと呼び戻されることとなる。むしろ個室に引きこもり状態になってしまうかもしれない。

一人個室の中で都会色に染まった胃腸を怨む羽目となる。



ミネラルウォーターのイメージを叩き込まれ、山の湧き水=とても綺麗で美味しくてピュアな水、なんなら山の神様がくれた恵みがどうたらこうたらと思いがちだが、下手に雑菌などは目に見えないだけに手を出さない方が無難だろう。安易に飲むのはどうだかと思う。


それらを含め、飲むなと。

安易に飲みたがるなと。

水なら売店で売ってるからと。




これでここのトイレ内の貼り紙は全てなのだが、ここのトイレの横にインパクトのある看板があったので、ついでに取り上げておこうと思う。






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「いつきもれいに美しく

 やめようね

   どこでもすてる

      わるいくせ



●●●530運動連絡会  」



大き目のターバンを巻いたか、もしくは大きなDB(大便)を何度か頭で受け止めたかのような、摩訶不思議な髪型と表情をしたイラストが印象的な、ごみを捨てないように忠告した看板。

「●●●530運動連絡会」の伏字のところは地名(こちらで伏せておいた)、そしてその不思議な数字は「530」と書いて、「ゴミゼロ」に掛けているのが伺える。どうやら地域を上げての美化推進運動を行っているようだ。


ただでさえ観光客が多いこの地区は中にはマナー知らずの方もいるのか、そこいらかしこにごみを捨ててしまう人もいるだろう。先ほどのトイレ入り口のすりガラスに貼られていた貼り紙を思い出しても然りだ。


そこへ、不思議なイラストと、ちょっとすると優しい感じだが実は結構強めな一句(5・7・5になっています)で釘刺しだ。まるで妻が悪いクセ(浮気等)のある旦那にそれとなく優しい言葉で忠告を掛けているようで、本当はその言葉の向こうにいろいろなものが渦巻いているのにも似ている。

トイレにある「いつも綺麗に・・・」同様、言葉はまっすぐ受け止めるだけでは駄目なのだ。そこが大人だ。



しかしだ、それよりもだ。

気付かれた方もいるかもしれないが、よく文章を読んでもらいたい。





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「いつきもれいに美しく」



ナイス誤字!

これだけ大きい看板なのに、「き」「も」が逆となっている。

しかも全体的によくよく見れば、一字一字の位置が波をうっているのがわかる。


多分これは印刷ではなく、看板職人の手によるものだと思うが、かなりの数の観光客が訪れる場所に物凄い誤字である。先ほどの例ではないが、これも実は真っ直ぐ取らずに裏があるのではと一瞬考えたが何も浮かばない。

「五木(さん)も例に美しく」では意味をなさない。



誤字はともかく意図することは、その不思議なイラストを始め十分伝わった。

ごみに関しては決められた場所にちゃんと分別して捨ててもらいたいところだ。

「旅の恥はかき捨て」という言葉があるが、旅のごみ捨てはその人に心に付いて回る。



後、ここじゃなくてもトイレの水はあまり飲もうとしない方がいいだろう。





・・・う~ん、やはり、そのイラストの子の頭の上に、一番のごみが乗っている気がする。






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信越地方、某山間にて

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