一度使えば必ずファン!
もう1歩前にお進み下さい。」
ここで言う「気持良く」とは、ご本人さんが気持ちEというわけではない。
後から使う人、他の人が気持ちよくということなのだが、
実に気持ち良さそうだ。
のび太ベーシック配色の服を着た男の子が笑顔で排尿行為。
SB(小便)なり、DB(大便)なりを排出するとき、人は尿意から、便意からの解放を味わう。出したいのに出せない苦痛と言ったら、自分が一度読んだ推理小説を他人が読んでいるときに、「犯人は探偵が見過ごしている人だよ!ほら、殺人事件があった現場の近くのお土産屋のおばちゃんなんか怪しいかもよ!」の一言が言いたくて、でも言えてなくてといった欲求とは比べ物にならないほどだ。
そちらは言わなくても、読んでる人がいずれ犯人のページまで辿りついてくれるが、排出だけは他人様に任せられない。
「今手が離せないから、変わりにオシッコしてきて!!」
こんな会話が普通に使われる世界があれば、世の中”代便屋”といった職業が出来ているだろう。
「あなたの代わりに、一日5kgまで代わりに排出します!!」
といった具合にだ。
しかし排出行為は一種の快楽であり、出来れば自分で味わいたい。腹、もしくは膀胱の重みという名の苦痛から解放される喜びといったら、そりゃあピンクの小粒も飲むはずだ。
ところで、便器のイラストがカマクラのようだ。
そして個室の方のドアを見れば、
「トイレットペーパー以外のものは
流さないで下さい。故障の原因となります
トイレはきれに使いましょう~」
先ほどの子と共に別の子も登場。素材集からの抜粋なのか、イラストとセリフが全く合ってないことこの上なし。
「使いましょう~」と、語尾を伸ばしているところが調子に乗っているようで少しカチンと来る・・・いや、来る人もいるだろう。
言っておくがここは別に小学校でもなければ、子供専用トイレなどではない。
ここがどういったところだかは後ほどよく分かるのでご安心を。
それでは紹介したいクラスメートが左側にいるので拡大しよう。
「でちゃうよ~」
例えばオシッコが漏れそうなときに股間を抑ええたところで、尿道に小指の爪を刺し込んでいるわけでもなければ、抑えているだけでは全く意味は成していない。しかし尿意なりがレッドゾーンギリギリまで達してしまいそうになると、全神経がそこに集中してしまうために、無駄と知ってながらもついつい手で股間を抑えてしまうのだろう。頭が痛いときに頭を抱えたり、お腹が痛いときにお腹を抑えたりと、彼はそのいい例だ。
もじもじっぷりも実にチャーミング。
そんな彼はフキダシで他のセリフも発している。
「トイレ内のいたずらは
やめましょう。 」
アンパ●マンの顔をしたキャラクターが「ハヒフヘホー!」と絶叫するが如し、全くイラストとセリフが合ってない。
先ほどの今にも尿が手の平からパンツからこぼれてしまいそうな切迫した感じは一切払拭された。
むしろ無視された。
いや第二の人格の可能性もある。
普段はどこにでもいるような子供だが、第二の人格が目を覚ましたときには急に大人びた口調となり、「そこの車、踏み切りの手前では一旦停止しましょう。」とか言い出すかもしれない。
それよりもだ、個室内にどうしても目を離せない貼り紙があった。
だがしかし、それはかなり広告臭いために載せるかどうか少し悩んだのだが書いてある解説文に惹かれるものがあったので、ここに。当然ながら店名などはモザイク処理を施しておいた。
「質が高くて、安い、●●●●の直輸入品。」
真ん中のおじさんキャクターは、一目見れば分かる人にはすぐ分かってしまうほど、ここの店舗の顔とも言えるキャラクターとなっているものだ。
通称「さわやか親父」こと創業者兼元会長を模したそのキャクターは、ここのチェーン店の各店舗の店先に、これでもかと大きい人形となって置かれてあり、看板にもでかでかとこの顔が描かれている。店の名前もそれなりにインパクトがあるが、ともかくこの顔が目に入れば、「ああ、●●●●があそこにある」と認識出来るほどの顔だ。
ここは業種としてはディスカウントストアーなのだが、輸入品も取り扱っているようで上の貼り紙はうちの製品がどれだけいいかを述べている。ではフキダシ一つ一つを拾って行こうか。
「「安すぎてゴメン!」
●●●●の直輸入品、価格
が安くても、本当に良い商
品がいっぱいです。その真
価を知って下さい。 」
安くて偽物なのでは?と疑われる前に一言言いたかったようだが、「安すぎてゴメン!」と言われたところで、それでも思ったより値段が高い際には「高くてアリガトさん!」とでも答えればいいのだろうか?
すぐさま皮肉合戦の開戦だな。どこのご近所さん一帯だ?
「「残念でたまりません!」
高くて良い商品を、わかる人は、
沢山いますが、安くて良い商
品を、わかる人は、大変少
ない。●●●●の直輸入品
の価格が安すぎても、決し
て通り過ぎないで。 」
もはやどこかしら一人言のような感じがする。私の記憶が確かであればここはトイレであって、懺悔室かなんかではないはずだが、誰かさんは何かを「たまりません!」と言うほどに残念がっているようだ。どうした、日本全国1億数万人を総鑑定士にでもしたいのか?「ジャパン」と書いて「鑑定士の国」とでもしたいらしい。
「必ず商品に手をふれて!」
●●●●では、商品にふれ
るのを歓迎。特に直輸入品
は品質の良さをしるために、
必ず触ってみてください。 」
パン屋なんかの店内に貼られていたら大爆笑だ。店内の直輸入品を陳列しているところにも同じものがあると思われるが、ここはなぜだかトイレである。なぜなんだろう、なぜここはトイレで、トイレでこんな直輸入アピールなんだろう。
便器にそっと触れてみる・・・。
「「一度使えば必ずファン!」
まず、買って使ってください。
●●●●の直輸入品が持
つ本当の良さが解り、フ
ァンになること請け合
いです。気に入らなけれ
ば、返品、返金いたします。」
最初から「買ってください。」と言えば、何もかもが一言で済んだ気がするのは私だけだろうか?
自身の表れと思うが、自ら「俺のファンになるぜ!」と言うミュージシャンなんかは結局は無名の星の下に咲くのが常。本当にいい仕事をしている人は自分のことをそんな風に言っている暇もないはずだ。結果が自信に繋がるというものだろう。
それよりも返金は分かるが、返品するのはこちらの方だ。
まあともかくちょっとだけ斜めから書かれた面白い商品案内だった。
これで終わりかと思いきや、洗面台の横の手拭きペーパーのところにも、
「ペーパータオルは
1枚で十分手がふけます。 」
実にしっかりしておられる。確かに無駄にティッシュを多く取る人なんかがいる。例えば家なんかだと、壁を這っている小さいクモの子を捕まえるのに、ティッシュ箱の中身を全て使わんと次々と取り出す人がいる。サービスのいい手品師みたいだ。
頭の髪の毛を節約しておられるこの子はどこの子なんだか。
ここのトイレの貼り紙のイラストは子供だらけだった。でも言っている言葉は全然子供じみていない。
ちなみに店の入り口には、
「本当に良い品がこんなに安い!」
一癖も二癖もあります。
ところで何気に今回の記事の文中にここの店舗名が含まれています。
チェーン店なので別に店舗名は分かっても、場所が特定されなければいいです。
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