『かわや貼り紙探訪.４』

第１、第２と周って次は第３ビルへとおじゃましてみましょう、渡辺厠史です。厠史ですから。

同じ駅前ビルなのに各ビルごとに管理しているところが違うために、貼り紙に微妙な違いが表れているんですねえ～。しかし行われている被害は似たり寄ったりのようです。

では拝見させて頂きましょう。ええ。

「お　願　い

皆さんに洗面場を清潔に気持ちよく使っていただくため

トイレットペーパーを手拭き代わりに使用したり

タバコの吸殻のポイ捨て等

マナーに反する行為はやめましょう

●●駅前第３ビル区分所有者協議会　　　　　　」

ああぁ～～～、ここでもトイレットペーパーで手を拭くという行為が流行っているようですねえ。

ビルもトイレも動けませんが、利用者はトイレを選べますものねえ。こればかりは仕方ない。しかしトイレットペーパーで手を拭く必要はどこにもないんですがねえ。このビル郡のトイレたちには、特有のトイレットペーパーで手を拭きたくなるような気持ちにさせる何かを醸し出しているんでしょうか？

もう洗面台の脇にでも、

「ハンカチ持参求む

信用金庫のタオル可　」

とでも新たに貼り紙をするべきではないんでしょうか？

もしくはここは俳句で、

「トイレット

拭いていいのは

股と尻」

渡丸です。って俳句にする必要はどこにもないんだなあ、これが。

また洗面台付近に、拭った後のトイレットペーパーをさりげなく捨てて立ち去るのを止めればいいかと言えば、そうじゃないんだなあ。トイレットペーパーもタダじゃないですし、何よりここの貼り紙にあるようにトイレットペーパーのその使い方はマナーに反するんだなあ。そう、ここの貼り紙ではなぜトイレットペーパーで手を拭いてはいけないかを説明してあるんです。そんなマナー教わったことないと言ってもそういうものなんです。

自分のシャツの袖で鼻水を拭ってもいいけど、他人のシャツの袖に急に鼻を近寄せるのはルール違反ですねえ。ここは個人のトイレではなく、いろんな人が使う場所ということは、それなりのルールがあるはずなんだなあ。そういうことで成り立っているんだなあ。

また「皆さん」という言い回しも無視出来ませんねえ～。

個室の方も伺ってみましょう。

「トイレでの

喫煙はご遠慮

下さい

管理事務所　　」

おおっと、この貼り紙に従がってくれる人がいれば、先ほどの吸殻のポイ捨てについての一文はなかったはずですねえ。かわや貼り紙探訪家としては、トイレの貼り紙はあればあるほど嬉しいんですが、この貼り紙の存在の希薄さ、それによって他の貼り紙に一文文句が増えてしまう現状を考えると素直に喜べないものがありますねえ。

いくら世の中の風潮が喫煙者に厳しくなって、昔買ったアブなんとかという名の健康器具が無かったメモリーとして押入れの奥へと奥へと追いやられるかのように、ちょっと一服と喫煙出来る場所が追いやられて減ってきたとはいえ、中学生じゃないんだからトイレでの一服は頂けませんねえ。本人は煙を払えばなんとか誤魔化せたような気になっていますが、煙っていうのは服にも壁にも匂いが染み付いてしまうものですものねえ、そう簡単には誤魔化せないんだなあ。無理なんだなあ、これが。

次の人が入れば、モロ分かりです。

自分で排出したものがあまりの匂いなんで、タバコの煙で誤魔化そうと配慮した場合はいいです。それはある意味、次の人への思いやりです。本当はそんなに臭いのを出さないのが一番なんですけどねえ、まあ火炎探知機にはご用心をして欲しいなあ～。

サイレンを轟かせて余計な騒ぎは起こしたくないでしょう？

それでは最後に第４ビルへとお邪魔させて頂きましょう。私もそんなに若くないんで結構クタクタですよ。第１ビルでも第４ビルでも同じラビリンスか、はたまたバイオハザードかといった閑散とした作りをしていて、ぶっちゃけてしまえばビル内を歩いていると自分が今第何ビルにいるのか分からなくなりそうなんです。

でもですね～、違うんだな～、トイレの貼り紙だけはちゃんと差別化されてるんだなあ～。同じ駅ビルと思って全てのビルの貼り紙が同じとは限らないんですねえ。

小便用の便器の間と間、そして一定間隔で壁に貼られている黄色いお札のようなものはなんでしょう？霊道でも通っていて、体が半透明な方々でも結構現れるためにお札でも貼っておられるんでしょうか？

そうだったら縮み上がって出るものも出ませんねえ。もうちょっと近くで拝見させて頂こうかなあ。

「禁煙」

ああああ～、どうやら第４ビルでも喫煙者が後を絶たないようですねえ～。

きっとこれは、あれだ、うん、SB（小便）をしながら喫煙もしちゃう人がいるに違いないんですねえ～。はあ～、所謂「ながら運転」ならぬ「ながら放尿」ですねえ。携帯で電話しながら車の運転をしているのと同じなんだなあ。操縦しているものが結構見た目も大きさも違いますが、一歩間違えれば大事故という点では同じです。

携帯を使用しながらの運転が取り締まられるようになったのですから、SBをしながらの喫煙も控えてもらいたいものですねえ。また想像に堅いのですが、吸った後の吸殻を便器の中に投げ捨てる人がいそうですねえ。中には火のついた吸殻を己の尿で消して行く人もいるでしょう。絶対いますねえ。ミニ消防士のお出ましですねえ。火元は自分ですから、これを自作自演と言うんだなあ。自分の尿が何かの役に立ったとでも思っているのでしょうか？吸殻という名の恥を残して行っただけです。

また、黄色という目に入りやすい「禁煙」の札の間に、逆に地味で質素な色使いの紙を使うことでより目立たせようとしたワンポイントの貼り紙がありました。

「お願い

もう少し前進しましょう

床を汚さないために！！

皆様の第四ビル　　　　　」

はああああ～、出ましたねえ～、みんなのものであるからという意識に訴えかける方法での汚し防止策。思わず「何様？」と問いただしたくなりますが、これが「皆様の！」と即答されそうなので止めておきましょうかねえ。

まるで「君達一人一人の胸の中に第四ビルはおんねんで」と言わんばかりの言い切りっぷりですが、これまた関西独特のノリと言えばいいんでしょうか？One for all, all for oneの地域に密着した精神が貼り紙に表れているんだなあ、う～～ん、実にいいなあ。汚したツケはいずれ自分に帰ってくるということですねえ。俗に言う「吐いた唾、飲まんとけよ」って奴ですねえ。

「一歩前へ」系は、前進のお願いをするだけの短い文のものが多いのですが、「床を汚さないために！！」と改めて言っているポイントも捨て難いですねえ。はああ～～、憎めないなあ。

そして個室の扉を開けたときに、私驚きましたよ。

こんなことってあるもんなんだなと。

「トイレットペーパーを

手拭き代わりに使わないで

下さい。

●●駅前第４ビル運営協議会

●●駅前第４ビル管理事務所　　　」

うわあはあああああははははんななっはんははっはんんはんはははんwwwwwwwwwwwwwww

トイレットペーパー手拭き化計画は第４ビルにまで及んでいたんだなあ。散々語ってしまいましたが、ここまで来ると個室内のトイレットペーパーの上に「手拭きです、もう手拭きでいいです」と貼り紙を貼った方が早いかもしれませんねえ。

そしてこれまたどれだけ「第４ビル」であることをアピールしたいんでしょうか？下手すればトイレットペーパーの話より「第４ビル」であることの方が目立ってしまいそうですねえ。

もうこれだけ被害の内容が他のビル達と一致しているのであれば、貼り紙も全てのビルで共通して同じものを使えばいいものの、ここまでの「第四ビル」の表記には、オーナーの静かなこだわりを感じますねえ～～～。

管理しているところが違うのは分かりますが、この表記の仕方はそれを超えたビルとビル、それぞれの想いが文字となって、自己紹介となって籠もっていそうなんだなあ。・・・・・・多分、考え過ぎです。

第１から第４の駅前ビルまで各々こだわり抜いた貼り紙を拝見させて頂きました。連なったビルの一つだけを見て、他のビルのトイレの貼り紙まで知った気にはなってはならないということですねえ。いやあ、素敵だな。思わず「私の第４ビル・・・」と口を告いでしまいそうですよ。

ここまで来たら駅前ビルだけを押さえるのも何ですし、駅の方のトイレもおじゃましてみましょうか？

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

はあああああああああ、はははんはははんはははんはんはんはんは～～～～～～ん。駅前ビルもそこそこ個性ある貼り紙が貼られていましたが、駅のトイレ自体もなかなか個性のあるものを発見しましたねえぇ。はああはははん。

「きっぷをリサイクルした

トイレットペーパーを

設置しています。

～地球環境にやさしく～

　　　　　　●●電鉄株式会社」

SAVE THE EARTHですよう～～～～。ここのトイレのトイレットペーパーは切符を再利用した紙を使っているというじゃないですかあ？古くなったお札をリサイクルした紙なんていうのは聞いたことがありますが、電鉄らしく切符を使ったトイレットペーパーだなんて～～～、おじゃまするのを駅前ビルだけじゃなく、駅の方にまで足を伸ばして良かったと本気で思いますねえぇぇぇぇぇ、ええ。

では実物も一応、かわや貼り紙探訪家として見ておきましょう。

裏側が黒く磁石面になっていたりはしません。

ただ手で擦ってみたときの肌触りが、普通のトイレットペーパーの紙と異なりつるつるさらさらとして、こう～、習字の半紙を思わせるような滑らかさを持っています。また若干薄めになっているのか指がやけに透けて見えるんですねえ、もちろんシングルです。かといって破れやすいかと言えば、そうではなく、紙同士の繊維がしっかりしておりなかなか強い作りの紙なんだなあ。

言ってはなりませんが・・・、内緒ですよ・・・、これは内緒ですよ・・・、結構手拭きには使えそうかもしれませんねえぇ・・・・・・・・。

それにしてもこれを一定サイズに切り取って、駅の自動改札機に通せばなんとかなりませんかねえぇ～。

通れたら通れたでドキドキものですが・・・。

後に「こっぴどく」という言葉が似合いそうな目に合いそうです。

いっやあああ～～～、駅も駅前ビルも実に個性の強い貼り紙を目にすることが出来ました。さすが関西の中心地ですねえ。

最後に、実に地域性が濃いいと申しましょうか、ここなら納得出来るネーミングのキャクターの掲示板が、この駅の近くの地下アーケードの出口の一つ付近にあったのでここに紹介して終わりたいと思います。