かわや貼り紙探訪.3
お久しぶりです、渡辺厠史です。自分で自分の下の名前の読み方が分かりません。
今日おじゃまするのは、関西のとあるメインハブ駅の駅前ビルです。しかもこの駅前ビルが第1ビルから第4ビルまであるんだなあ。最初から大きめの第1ビルを作っていれば、そこまで増やす必要もなかったはずなんですが、数に重点を置いたいいビルみたいなんですよ。
ビルの数だけ厠があるということです、いやあ本当に楽しみだなあ。
では早速第1ビルのトイレから見て行きましょうか。
おじゃまします。
「防犯カメラ監視中」
はあ~~~~~ぁああ、早速油断を許さない貼り紙が飾られていますねえ。
まるで掛け軸のように見せかけて実は警告貼り紙、これでもかと赤い文字で書かれた一筆が冴え渡ってますねえ。これだけ入り口に大きく飾られていると、客人として訪れた人たちは否が応でも目が離せないんでしょうねぇ。これは、あれですねえ、狙ってるなあ。これまた男女共通なところに貼ってあるのがポイントなんだなあ。
トイレなのに大きく赤字で「カメラ」で監視しているのを宣言しているなんて、この強気加減はなかなか他のトイレじゃあ真似出来るものじゃあないですねぇ。いやあ、理由もないけどいいんだなあ。
では、トイレ内の貼り紙の方を拝見させて頂きましょう。
「お願い
ここで、身体や髪の毛を洗ったり、
洗濯することはご遠慮ください。
洗面所などはビルの方々の共用のもので、必要な経費もそれぞ
れがご負担されています。利用者の皆様のご理解とご協力をお願
いいたします。
●●駅前第1ビル管理事務所 」
いやああああ、はあああぁ、何が起きているか一目で丸分かりなんだなあ。
確かにトイレは身支度を整える場所でもあるんですがね、それでもある程度制限というものがあるんですねえ。
ここで言う「必要な経費」とは、あれですかねえ、洗髪、洗濯に使っているであろう、洗面台に備え付けのハンドソープなどのことを指しているんでしょうかねえ。うん、なるほどねえ。
普通にトイレを使用する人にとっては、手を洗うだけのものかもしれませんが、一部の人にとっては手どころか体、体だけならぬ頭、頭だけならぬ衣服までと、洗剤の使用用途に可能性を見出し過ぎてるんだなあ。確かに洗面所を総称してバスルームとも言いますが、一般の公衆トイレにはお風呂の機能はありませんものねえ。これは、あれだ、見出し過ぎなんだなあ。
そりゃあハンドソープも早く減るということですねえ。
そしてその備品代もテナントとして入っている店舗や会社から出ていると。タダじゃないんだぞと言ってるんだなあ。耳を澄ますと貼り紙からそんな肉声が聞こえてきそうですよ。
はあ~~~~ぁ、止めてくれるといいですねえ。
誰か全裸で体を洗っている最中の現場でも見てしまったんですかねえ。いやあ、くわばらくわばら。
では第2ビルの方に向かいましょうか。
おおっと、その前に
「清掃中
恐れ入りますが
西のトイレを
ご使用下さい 」
清掃棚なりロッカーに隠すわけでもなく、トイレ特有の清掃中の、例の、あの看板がトイレの通路の隅に飾られていました。いいですねえ、恐れ入っている感じが微塵もしないんだなあ、さりげない、実にうん、さりげない。いつでも封鎖出切るぞ、緊張感を持てよって、今にも立て掛けられそうだ。これってあれですよね、素人の私でも、今すぐにでもトイレの入り口に立てれそうですよ、いやあ、まったく実にさりげない演出だなあ。
また「西」のトイレという大雑把な誘導がこの看板の文字を考えた人の性格を表していますねえ。
いきなり「西」と突き放されても、なかなか分かるものじゃないですよ。いやいやいやいや、この大雑把さ、アメリカンかもしれませんねえ。正にGO WESTなんだなあ、西部開拓者の子孫にあたるアメリカンが書いたのかもしれませんねえ、いやあ~。
名残惜しいですが、続いては第2ビルの方のトイレに歩を進めてみます。
「お願い
トイレットペーパーで
手を拭かないで下さい。
トイレは、いつも清潔に!
第2ビル管理事務所 」
いやああぁぁぁぁぁぁあ、確かにここのトイレには、洗面台の脇にエアタオルなどの機械を設置してないようですが、トイレットペーパーで手を拭くようでは、紙には変わりはありませんが、股間も手も同じということになりますよねえ。トイレットペーパーで顔を拭いた時点で、股間も顔も同じなんだなあ。
あるもので応用するのも知恵ですが、これね、うん、ハンカチなりを一つ持っているのもね、大人のたしなみかもしれないですよね。いやあ、でもいざってときにはね、濡れた手をポケットに突っ込めば、なんとかなったような気になるものですよう。
また濡れた手を拭いたトイレットペーパーを便器に流さずに、洗面台にあるゴミ箱に捨てるからモロバレなんですねえ。
わざわざ一度手を洗ってから、個室からトイレットペーパーを引き出すという二度手間を惜しむことなく繰り返した末に、このような貼り紙が貼られることとなったのでしょうね。最初っから代わりとなる布の一枚でも持っていれば早いのに・・・というセリフも思わずつぐんでしまいそうになる行為ですねえ。いや、これがね、トイレットペーパーを普段からハンカチ代わりに使っているんだったら、私は何も言いませんよ。
この辛子色の貼り紙が暗めの壁をバックに実に冴えわたっているなあ。
一枚挟んで、その左側の貼り紙には、
「お願い
ここで、身体や髪の毛を
洗ったり洗濯することはご
遠慮ください。
第2ビル管理事務所 」
ああああああぁぁぁぁあああ、つい先ほどどこかで見たようなデジャブ感を漂わせた一品ですねえ。一部の方々による身体の洗濯は第1ビルだけに留まっていなかったようで、いやあ、その洗濯ぶりは第2ビルにも及んでいたんですねえ。よく分かりますよ。
さしずめ、ビルとビルとのトイレをつなぐトイレで洗濯リレーですねえ。
ある意味、うん、なるほどねえ、よほどの綺麗好きってことですよねえ。いやあああ、まいったなあ。
そして、先ほどの貼り紙とこの貼り紙の間には、
「トイレ内での飲食は
ご遠慮下さい。
管理事務所 」
はあああああぁぁぁぁぁぁぁああ、うん、うん、いやあ、既に何かしら生活がここのトイレでなされているのでしょうか?そう思わずにはいられない一言が書かれていますねえ。う~ん、こう、なんて言うか、胸にズンと響いてくるなあ。
もはや一部の方々の生活の中継基地として、ここらのトイレが使われていることは明らかですねえ。
確かにここの駅ビル郡は企業のみならず、一般の商業店舗も入っているのに、さしずめ一度核戦争でもあったかのように人通りがないエリアもあります。お店は開いているのに、あえて避けているみたいに人通りが一切ないところがザラにあります。
そうすると自然と定住居を持たない人のアンテナトイレとして使われることも多くなるかもしれませんねえ。
これも自然の流れなのかなあ。
彼らなりのマイトイレ、フェバリットトイレとでも申しましょうか、洗濯も洗髪もしちゃうわ、寒い日には個室でゆったりとお食事をとっちゃうわ、食後にはトイレットペーパーで手も拭くことでしょう。全てが彼らの所業とは限りませんが、なかなかトイレで食事を致す強靭な精神の持ち主はいませんねえ。トイレで食事かあ、これまた一つの世界が作られていますよねえ。すぐ事が成せるという点では、いやいやいやいやいやいや、ある意味贅沢な話だ。
また飲食後の容器などをそのままなり、ゴミ箱に飾ってしまうから飲食したということが管理事務所に知られてしまうんだなあ。そこら辺、また各自ゴミをしっかり持ち帰れば貼り紙も変わったことでしょう。いやあ、排泄と飲食を同時に出来る人がいたら見てみたいものですねえ。
嘘です、遠慮させてもらいたいですねえ。
そしてこの貼り紙を引きで見るとですね、
うはwwwwなるほどねえ、固めすぎなんだな、実に、うん、固め過ぎなんだなあ。
ここまで三枚を固めて貼らなくても、トイレの壁は無限と言っていいほど空いているのに、いやあ、この固めようったら、一部の方々によっぽど苦言の集中砲火をしたい気持ちがこれでもかと溢れていますねえ。こりゃあ、そうか、これね、管理事務所、本気ですよう。
欲を言わせてもらうとね、色紙の配色にもうちょっと気を使って欲しかったなあ。
あと、縦書きか横書きかも統一してもらいたかったですねえ。
いや、でもこれでいいんだ、これでも十分いいんだ、第2ビルの管理事務所の怒りは痛いほど伝わってくるんだなあ。
むしろ怒りを全く隠そうとしない前向きな姿勢に好感と緊張を持てますねえ。こう、空間が引き締まるというんですか?
でもきっと体を洗うくらいの強靭な精神と肉体を持った方々はもう一枚上手かもしれませんねえ。
いや~~、またそれだけ、ここのトイレの洗面台が体のすみずみまで洗えるほど快適ということかもしれませんねえ。
続いて、第3ビルを見てみましょう。(続きます)
かわや貼り紙探訪.4
http://ameblo.jp/iyami-toilet/entry-10026328622.html
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