ドン・ドン・ドン・ドンキー・ドンキー●ーテ
何かしらのお店の入った際に、店内ではBGMが流れていることが多い。
流れているのが自然で、むしろ無音の店内だと緊張感すら漂ってしまうほどにBGMは買い物をスムーズにさせる。
手持ちのCDを流す店もあれば、有線を流す場合もある。
そして中には自社の曲を流す店も多々ある。
その店・チェーンだけのオリジナル曲。それはさすがに「君一人じゃない」「夢をあきらめないで」「何がなんでも愛は勝つ」など昨今のヒット曲にあるような歌詞では全くなく、当然店内いる来客者たちを洗脳するが如く、店名を連呼するものが多い。
「分かってるから、分かって、わざわざ車で来ているんだから」という客の腹の内などそれこそ聞く耳持たず、もうその店名がこれでもかと暴れ太鼓の連打の如く歌詞に出てくる。そしてこれまた短くキャッチーなものが多く、湯水の如しリピート再生に持ってこいのものが多い。そういう意味では耳から自然と脳裏に入ってくるコマーシャルソングと同じようなものだ。
気が付けば、脳が大人よりマイルド気味に出来ているためか、連れてきていた我が子が洗脳されてそこの店の歌を歌い出す始末。なんなら家に帰っても。公園で遊んでいても・・・。「やられた・・・」。
店名を連呼する店は数あれど、今日紹介する店もそういった類で全国的に有名店。
ほら、耳をすませば聞こえてくる。
例のテーマ曲。
「♪ドン・ドン・ドン♪」
「♪ドン・ドン・ドン♪」
「♪ドン・ドン・ドン♪」
「♪ドン・ドン・ドン・ドンキー♪」
「いつもきれいにご使用
頂きありがとう
ございます。
もう一歩前へ
お願いします。 」
「♪ドン・ドン・ドン・ドンキー♪ドンキー●ーテ♪」
ここ数年急成長を成している例の大型ディスカウトショップ。
例の放火の件により、ごちゃごちゃしたアマゾン熱帯林のような店内のディスプレイは鳴りを潜めたが、それでも店舗数は軒並み増加傾向にある。
深夜遅くまで(早朝まで)開いているためか、夜遅くなんぞに行くとあまり社会的にお加減がおよろしくない若者がいたりする。
それでも、食料品を含め時々電化製品などはポイントを配慮しても、大型家電量販店より安いときがあるので私もときどき利用する。既に私の生活のサイクルの中にも入っているサンチョパンサならぬドンキ●ーテですが、一時期オリジン弁当を配下に入れようとしたときは本気で嫌だと思った。
そして上の写真に写っているのは店内、広告、POP、なんならレシートにまで見掛けるドンキ●ーテのスポークスマン的キャラクターのペンギンこと、「ドン●ン」くんだ。目線はこちらで入れさせてもらった。決して、80年代に松田聖子の曲をバックにお酒のCMに出たり、最近復活して携帯会社のCMに出てきている例のペンギンではないのであしからず。
この子は胸に「ド」の文字があります。
もうペンギン全体にモザイクを入れようと思ったが、これからこの子が貼り紙に出てくる出てくる。
タダでさえ店内のPOPなどにも、これでもかと出てくるこの子だが、それは店内だけには飽き足らずトイレ内にも同じことが言えるようだ。
「もう一歩前へ!!」
小水用便器の前の壁にて、薔薇と共に拝むように「お客さん、もう一歩前へ出てもらえますか?」と言わんばかりに手を合わせて拝まれて、これで一歩後退してしまうような輩がいるだろうか?憎めない、憎めない。
むしろその足ビレの如し太い唇をつかんでみたい。
個室内に目をやれば、
「火災報知器や
煙検知器が
作動いたしますので
トイレ内での喫煙は
ご遠慮ください 」
トイレ内でびしょ濡れの始末。
己はかわいい顔してスモーカーだったのか?むしろペンギンならば多少濡れた方が心地良いのでは?という疑問も湧くが身を挺して、個室内でタバコを吸うとどうなるか実演してくれている。
「ザー ザー ザー 」
とスプリンクラーから流れ出たシャワー音の表現が、そこはかとない淋しさを表している。
火気の取り扱いに対する注意は、個室内だけにあらず、トイレ内の壁にも、
「火気厳禁
炎 感知器作動中
当店では、ライターやマッチ等、
わずかな熱を感知する警報機(ピコアイ)
を設置しております。
この場所付近に関しましては、
全面禁煙とさせていただきます。」
小さくて分かりづらいと思うが、貼り紙の左下端に消防士の服を着た例のドン●ンくんがいる。
ちなみに「ピコアイ」とはこちらのことを指しているようだ。
http://www.ogsystem.co.jp/security/products02.html
ピコアイの説明に「10m先にある7cmの炎を瞬時に感知する」とあるが、ここの貼り紙にある「わずかな熱を感知する警報機」とはそれほどに高性能なのか?
もしかしたら人よりちょっと温かめなSB(小便)をすると、警報が鳴るかもしれない。
「あっ、オシッコです!オシッコです!僕人より膀胱の保温機能の温度設定が高めなんです!!再沸騰機能がついているんです!!」
「炎」の文字が焼き芋が焼けそうなくらい燃えたぎっていてよい。
そして商業施設の店舗によくある「従業員も使用させて頂きます」的な貼り紙も、
「このトイレは
防犯および
環境美化のため
施設従業員も
使用いたします
よろしく
おねがいします」
このように腕に「防犯」タグをつけたドン●ンくん仕様となっている。
防犯は分かるが環境美化とは、従業員がトイレが汚れているのを見掛けた際にそれなりに綺麗にしてくれるのだろうか?
トイレのドアを開けた際にペンギンがいて懸命に掃除をしていたら、どんなに体中の血湧き肉躍ることだろう。
「綺麗に使うから!休んでて!!そして帽子がサンタクロースみたい!!」と。
洗面台のところには、
「私服警備
担当者
巡回中」
とのこと。
「私服警備員」ではなく、「私服警備担当者」と余計にまどろっこしく書いたところがミソだな。
その日はたまたま私服警備の番が来ちゃったけど、普段はちゃんと警備員らしい恰好をする日もあるということだ。
貼り紙の右端下に目を向ければ、
「僕が
みんなを
守る」
むしろ私服(普段)より怪しくなった風体のドン●ンくんが短い腕を広げてこう申している。
このイラストでは帽子が変わっただけだが、左端ではトレンチコートを着たドン●ンくんを伺うことも出来る。
よく街中で服を着せられた犬を見かけるが、あれ以上に目立つ恰好はないということは皆さんご承知の通り。
「おもちゃみたいにして、犬が可哀相」という人もいるかもしれないが、最近季節的に耳の穴まで寒くなってきているので、防寒効果という意味で着せるのはアリなのではないかと思う私です。
時々、明らかに似合っていない大型犬とかいるのは否定出来ない。
「防犯」と称してチワワを買ってしまうように、ペンギンに守られるようでは人間としてアウトだ。
ドン●ンくんのその心意気だけで十分だ。
これでトイレ内にあったドンキーこと、ドン●ンくん仕様の貼り紙たちは全てかと思われたとき、何が壊れているのか使用不可能になっている個室を見付けた。
「設備の補修調整中の為
只今、ご利用頂けません。
ご不便をお掛け致します、大変申し訳ございません。
お急ぎの場合、地下階のトイレをご利用
頂きます事、お願い申し上げます。 」
様々なお願い、警備、そして侘びと至るところ全てにおいて、引っ張りダコなドン●ンくんだった。
この日、この時、もしこの個室が普通に使える状態にあれば、私はこの貼り紙を拝むことが出来なかったことを思うと、厠貼り紙探訪家としては非常に幸運だったわけだ。
誰かにとっては使えなくて不便極まりなくても、私にとってはこれ以上にないくらいラッキーDAYだ。
だからどうぞ、ドン●ンくんよ、顔を上げてもらいたい。
設備の補修調整大いに結構!!
さて、言い忘れていたが、ここまで来るとまるでここはドンキ●ーテの店舗内のトイレと誤解してしまう人が多いことだろう。
しかし実際のところ、二枚前の貼り紙写真に「施設従業員」とあるように、ここはちょっとした規模の商業施設であり、ドンキ●ーテはあくまでもその中のテナントの一店舗でしかないのだ。
他にもお店はいくつかあり、その施設内のトイレなのになぜだかトイレ内は全面ドンキ仕様となっている。
そこら辺の謎は謎のまま置いておくとして、店内のみならずトイレ内の貼り紙にまで手を抜かないドン●ンくんを使った、完全オリジナルのドンキ●ーテ仕様のものを作るここの会社の心意気だけは大いに買いだと思う。
お客さんを楽しませたい、お客さんとしっかり手を抜かず向かい合いたいという気持ちがこういった貼り紙からも垣間見れることもある。そしてドン●ンくんの低姿勢。
分かったよ、来週は牛乳買いに行くよ。
ちなみに店名の区切り方は、ドン・キ●ーテです。
- ソースネクスト
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