ケロケロのトイレ
「５Ｆ・６Ｆ・７Ｆにも
男女お手洗いあります。
階段を上がって御利用ください。」
私がいるのが４階以下というのもお分かりになられると思うが、それよりもだ。
貼り紙に書かれている（印刷されている）オレンジ色の文章の下部に、何か砂漠で見る幻想のようなものがある。ボールペンで描かれたと思うソレ。
なぜに？なぜ故に？といった生物たちの姿が。
もうちょっとアップでどうぞ。
「ケロケロ」
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キャトルミューティレーションをするために銀河の２丁目あたりからやってきたエイリアンかと思いきや、その「ケロケロ」という鳴き声らしきものから「カエル」だと分かる。しかも無数。
というか、「ケロケロ」と鳴きつつドンドン小さいカエルさんたちの姿が。
最終的に、米粒に描けるものなら描きたかったとばかりにミニマムサイズのカエルまで。
省略化されているが、最後の最後までケロケロ。
このカオス状態はどうしたのだろう。
一体何が起こったの？
まだ個室内なら、下半身が解放されている内に脳内まで解放されちゃってトランス状態で落書きしてしまったとか、今度はカエルに生まれ変わりたいという想いをぶちまけてしまったとか想像がつく。
だがしかし、これは他のトイレの場所を示しているだけあって、トイレという空間の外側のドアに貼られていたもの。
とても落書きが出来るような箇所には貼られていない。
では誰が？
貼った人が？
空間が寂しかったから？
カエルが好きだったから？
無限増殖させたいくらい好きだったから？
そもそもカエルだから？
カエル犯人説はともかく、テナントの人が始めに一匹ほど軽い気持ちで描いてみたら何か悦に入ったのだろう。
「イケル！２１世紀の鳥獣戯画みたい！」と。
そしてアレンジを加え、どんどん己のインサイドに入り込むが如くスモールライトを浴びていくカエルたち、それに伴ない小さくなって行く「ケロケロ」の声。
さらにはまだスペースを見出し、左端には半分状態の大きくなったカエルまで。
トイレでカエルの関係性は一体なんでありますか？
トイレもカエルも水辺の生き物？
んなわけはない。関係あるようで全然関係ない。
描きたかったから描いたのだろう。
確かに何かしら貼り紙に華は咲いていると思う。でも不思議空間になってしまっているよ。
そんな不思議は入口の貼り紙だけではない。
どーこだ？
個室の水洗タンクの蓋が明らかに発泡スチロール！
絶対、手刀で割れる諸刃の蓋。
その置かれているトイレットペーパーは、漬物で言うところの漬物石の役割を兼ねているのだろうか？
なかなかトイレの水洗タンクの蓋なんて、道端で落したり無くしたりしないものだが無いものは無い。
きっとカミナリでも落ちて割れたのだろう、きっとそうだ。
そしてちょうどよい大きさの発泡スチロールとトイレットペーパーがタッグを組んで、本来生まれてきたと理由とほど遠い役割を果たしているのだろう。
人生何がきっかけで運命が変わるか分からないものだね。
きっと発泡スチロールでお家とか作れちゃうよ。
可能性はあの地平線の向こうのように無限大だ。
言っておくが、水洗レバーも天を指すが如く、もとい時計で言えば１２時を指すが如く上がり切っている。
発泡スチロールの蓋の下でカエルが泳いでいたら嫌ですな。
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「厠イヤミ百景の一景」
http://www.leolio.com/index/KAWAYA/KAWAYA_menu.html
早く老ける人、老けない人
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