逆光 | 厠(かわや)イヤミ百景

逆光


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「      お願い

 故意に便器にペットボトルや新聞紙等を

詰まらせる悪質ないたずらが多発、

お客様に大変ご迷惑をかけております。

 不審な人物や行為を見かけた場合は、お

近くの駅社員または警備員にお知らせくだ

さい。ご協力をお願いいたします。

                  駅長     



いったいどういったご趣味をお持ちなのか、はたまた便器を四次元ポケットと勘違いされている方々がいるようで、ときどきこういった貼り紙を見掛ける。


ペットボトルを便器に入れて流れようか?

下水道を通って、下水処理場にまで辿り着き、いずれ大海に出て、カモメと友達になったりしようか?


ありえない。


普通の頭をお持ちならば、100%詰まるであろうというのが容易に想像出来る。

トイレが詰まって水が流れないならまだしも、恐ろしいのは逆流だ。

トイレでのボルケーノは、「見て!虹よ!」といった感じに澄んだ水が飛び散るという可能性は低い。

下手すれば、欲張ってあの色もこの色もと水彩絵の具を混ぜた結果生まれた、奇跡の泥色が飛び散るであろう。しかも多少なりの細菌と共に。


出来れば避けたい、多重債務と便器の逆流。



「たまたま右手にペットボトルがあったのよ」

「たまたま新聞紙が右手にあったのよ」


という理由で、何気なく便器に差し込んで許されるものではない。例えそれが一輪のバラだろうが、便器に差し込んではならない。愛情込めたって駄目なもんは駄目だ。





ところで気付かれただろうか?

貼り紙が貼られている場所だ。


そう、窓なのだ。

窓を塞いでいるのだ。


窓とは何のためにあるかといえば、閉塞された室内に明かりを取り入れ、換気の役割も備えたそこは室内の息抜きスクエア。


しかしその窓の存在価値を否定するかの如く、貼り紙がぺろんと窓を覆っている。

むしろ外の光を背後に浴びて、より「この貼り紙を見とけ」とばかりに強調される形となっている。


外は見えないがな。

貼り紙は見えても外は見えない。




トイレ内の壁に一切無駄なスペースがなく、でもどうしても貼り紙を貼りたい、だけどもやっぱり空きスペースがないなあと顔を上げたら・・・・・・、


「窓あるじゃん!駅長!窓が空いてました。いえ、開いてたんじゃなくて、空いてましたよ、駅長!」



なんてこともなく、壁に空きスペースならいくらでもある。




あえて光明を当てて目立たすために貼ったのか、その決断をした駅長のセンスを誉めたい。




一応窓は開けれるみたいだが、ここの窓は横にスライドさせるタイプではなく、上部を軸に縦に空けて窓の一部が建物外に出る「横すべり出し窓」というタイプで全部空かないようだ。


まあそれをすると、貼り紙が見れなくなるという換気と貼り紙が対立している面白い例だ。








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都内、某駅構内にて

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